鈴木貴男(ATP231位)VS アドリアン・ガルシア(チリ:ATP111位) 7-6(6),7-6(4)

そぼろ降る秋雨の中、有明コロシアムでのナイトセッションに向かった。思い起こせば2年前も戦後最大級の台風が関東地方を襲うという予報の中、有明に向かったもんだ。
貴男の1回戦はいつも天気が悪い。
しかし、2年前はあのギャンビルに対し奇跡の勝利だった。今回もかなり格上の選手だが、何かが起こるかもしれない、いや起こって欲しい。気が付くとそう念じている自分がいた。

雨の中、急いで会場入口に向かうと、思った以上に観客がいた。
今年の貴男は全米オープンの本戦にも出場して、少しは有名になったのか、あるいは後に試合を控えているシャラポア人気か
窓口でフリーパスのJTAクラブカードを見せ、入場券を貰った。
中に入ると、いつものようにコートサイドの前から3番目の席に座り、メモ帳とカメラの準備をした。
                                雨の有明コロシアム

席に着いたばかりで心の準備ができてなく、「練習、観たかったなー」なんて考えていると、貴男のサーブで試合は始まった。
いきなりダブルフォールトだ。「おいおい、俺達みたいな試合はいやだぜ」
なんか、いやな予感!
しかし2本目はサービスエース。3本目もサービスエースで、最後はセカンドでサービス&ボレーで仕留めた。  心配なさそうだ
テニス協会の盛田会長が、VIP席で静かに見守っている。選手には見えるのだろうか?

お互い一歩も譲らず、4−4,5−4,両選手とも全てキープだ。
サービスエースは既に10本近いはず。サーブは好調!しかし、なかなかブレークさせてくれない。
相変わらず、リターンゲームでの貴男は淡白だ。しかし、どこかでワンチャンスが来るはず
先行逃げ切りが勝ちパターンの貴男にとって、どこかで早くブレークせねば・・・
       《鈴木貴男アルバム》

しかし、そのチャンスはやって来ない。5−5,6−5,6−6遂にタイブレークに突入だタイブレークになると、貴男に勝機ありだ。きっとワンチャンスをものにできるはず。
祈るような思いで貴男のサーブを見る。行け!攻めろ!会場のみんながそう思っているはずだ。
貴男のテニスは美しい。サーブから、ボレーに至るまでの流れるような動線神業ともいえるボレーのタッチ

しかし「あぁ〜」会場から大きなため息が流れた。ファーストボレーをミスってしまった。0−1だ。ガルシアは着実にポイントを重ね、気が付けば既に0−3だ。
やばい!やばいぞ。全員貴男のサーブを見守っている。サービス&ボレーでまず1本、また1本。気持ちがいい。しかしまだ2−3のビハインド。サーブは相手に移った。
セカンドのリターンが浮く。フォアがネット。どうした貴男2−5危うし!

次は貴男のサーブ2本だ。まずサービス&ボレーで1本取った。自分のパターンでポイントが取れている。次はガルシアのリターンミス。4−5になった。まだまだチャンスありだ。
10ポイント目、貴男のロブが浅い。ガルシアのスマッシュの餌食だ。あぁ〜4−6でマッチポイント
万事休す!
貴男も諦めたかのように見えた。
ところが、なんとガルシアスマッシュミスを・・・
プロでもこんな事があるんだ。遂に5−5に並んだ。

一番の勝負どころだ。貴男はリターンでも、ネットに詰めた。しかしパッシングの餌食だ。5−6でまたビハインド。それでも貴男は執拗にネットを取った。今度は、ガルシアのパッシングがアウト。6−6。サービスエース7−6逆転だ。
最後はリターンでネットを取った貴男に対する、ガルシアのパッシングがネットにかかり終了した。

ラケットを思いっきりコートに叩きつける『ガルシア』、得意満面にこぶしで胸を叩く『貴男』、対照的だ。


ハラハラ・ドキドキの1セットだった。
2セット目もこの勢いを持続できるだろうか

続きはPart2で

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